
冷え性だと妊娠しにくい?
冷え性と不妊が直結するかどうかは、西洋医学ではまだ明確に解明されていません。基礎体温を測定し、ご自身の周期やめぐりの状態を把握することは、体調管理のひとつの手がかりになるとされています。
温活とインディバについて正直にお伝えしたいこと
温活が妊活に良いといわれる背景には、体を温めることで血流が促進され、ヒートショックプロテイン(HSP)という細胞を守るタンパク質が増える、という一般的な生物学の知見があります。ただし、この仕組みが「卵子の質を向上させる」「妊娠しやすくなる」ということを示す、ヒトを対象にした臨床研究は、現時点で確認できていません。同様に、断食によって細胞内の不要なものを分解する「オートファジー」という仕組みが働くことも知られていますが、これが卵子の質に良い影響を与えるという確立された研究も、今のところ見当たりません。当院では、インディバを「卵子の質を上げる」「妊娠しやすくする」施術としてではなく、冷えが気になる方の体調管理・リラックスのサポートとしてご案内しています。なお、鍼灸・インディバは不妊症そのものの治療を目的とした施術ではありません。
食生活の乱れが体の代謝に影響することは一般的に知られていますが、糖分の摂りすぎがミトコンドリアに与える影響について、動物実験の結果を人間にそのまま当てはめることはできません。バランスの良い食生活を心がけることは、妊活中に限らず一般的に大切とされています。オメガ3脂肪酸(DHA・EPA等)は細胞膜の柔軟性に関わる栄養素として知られていますが、これも卵子の質への直接効果を保証するものではありません。
当院の施術の流れ・通院頻度
初回はカウンセリングで冷えの感じ方や生活リズム、現在の通院状況をお伺いします。そのうえで、鍼灸とインディバを組み合わせ、その日の体調に合わせた施術を行います。継続的なケアをご希望の場合は、月2〜4回程度のペースを目安にご案内していますが、通院中の医療機関の治療方針がある場合は、そちらを優先してご相談ください。効果を保証するものではなく、感じ方には個人差があります。
東洋医学・鍼灸から見た温活
セルフケアや鍼灸でのケアをご検討いただく場合も、気になる症状があるときはまず婦人科など医療機関にご相談いただくことをおすすめします。
東洋医学の考え方
東洋医学では、冷えは「気・血」のめぐりの滞りと関わりが深いと考えられています(伝統的な考え方であり、科学的な効果が証明されているものではありません)。当院では、基礎体温の記録や体質、生活リズムをヒアリングしたうえで、そうした東洋医学的な観点から施術内容を組み立てています。
セルフケアに使えるツボ
ご自宅でも取り入れやすいツボを2つご紹介します。三陰交(内くるぶしから指4本分上)は、東洋医学において体を温めるツボの一つとして紹介されることが多いツボで、指の腹で優しく押す、または温めるのがおすすめです。関元(おへそから指4本分下)もお腹の冷え対策として使われることが多いツボです。強く押しすぎず、心地よい強さで行ってください。妊娠中の方や体調がすぐれない時の刺激は避け、心配な場合は担当鍼灸師にご相談ください(三陰交・関元はいずれも東洋医学の伝統的な書籍・文献に基づいて紹介されるツボであり、特定の症状の改善や治療効果を保証するものではありません)。
鍼灸・インディバという選択肢
当院では、鍼灸に加えてインディバ(高周波温熱機器)を組み合わせたケアもご用意しています。インディバはメーカー公表情報によれば体の深部に温感を与えるとされる高周波温熱機器で、冷えが気になる方のめぐり・温めのサポートとして、選択肢のひとつとしてご案内しています。不妊症状の改善効果について確立されたエビデンスがあるものではありません。なお、鍼灸・インディバは不妊症そのものの治療を目的とした施術ではなく、体調管理の一環としてのご案内です。体感には個人差があり、医学的な効果を保証するものではありません。
よくある質問
Q. インディバは本当に卵子の質を上げますか?
インディバの温熱によってヒートショックプロテインが増えるという一般的な生物学の知見はありますが、それが卵子の質を向上させることを示すヒトでの臨床研究は現時点で確認できていません。当院では体調管理のサポートとしてご案内しています。
Q. 断食で卵子の質は良くなりますか?
断食によって「オートファジー」という細胞内の仕組みが働くことは知られていますが、それが卵子の質に良い影響を与えるという確立された研究は、現時点で見当たりません。また、妊活中は必要な栄養をしっかり摂ることが一般的に大切とされているため、卵子の質向上を目的とした自己判断での断食はおすすめしていません。体調管理について気になる点があれば、医師にご相談ください。
Q. 低温期と高温期の体温差はどのくらいが目安ですか?
一般的に0.3〜0.5℃程度の差がある「二層性」のグラフが目安とされています。差がはっきりしない場合は婦人科でのご相談をおすすめします。
Q. インディバでの温活はどのくらいの頻度で通えばいいですか?
個人差はありますが、月2〜4回程度のペースを目安にご案内することが多いです。効果を保証するものではなく、まずはカウンセリングでご相談ください。
Q. 温活のセルフケアに使えるとされるツボはありますか?
三陰交(内くるぶしから指4本分上)や関元(おへそから指4本分下)は、冷え対策のセルフケアとしてよく使われるツボです。心地よい強さで優しく押す、または温めるのがおすすめです。妊娠中の方や体調がすぐれない時は刺激を避け、心配な場合は担当鍼灸師にご相談ください(伝統的な考え方に基づくセルフケアであり、効果を保証するものではありません)。
【参考情報源】
- 卵胞発育期間に関する複数の生殖医療機関公開情報
- ヒートショックプロテインの一般的な生物学的機能に関する学術・医療情報源
- オートファジー・HSPと妊活の関連についてのエビデンス確認結果
- 基礎体温の目安に関する複数の医療機関公開情報
▶ 不妊・妊活の鍼灸治療について
この記事は「不妊・妊活の鍼灸治療」の関連コンテンツです。ハリニー鍼灸治療院(恵比寿・銀座)の妊活鍼灸の全体像・施術内容・通院の目安は、不妊・妊活の鍼灸治療(総合案内)はこちら。
【本コラムの監修】
国家資格登録番号
はり師 第13878号
きゅう師 第24519号
・当院について
鍼灸治療では、頭の鍼と経絡治療を用いた本格的な鍼灸施術を行います。身体が本来持っている回復力を高め、バランスが崩れた身体が元に戻るためのお手伝いをします。局所の施術だけでなく、触診や視診を重視する伝統的な診察方法で全身の状態を観察し、身体と対話をしながら、日本人の体質に合わせた鍼灸治療を心掛けております。

