
西洋医学と東洋医学の基本的アプローチの違い
西洋医学は検査によって特定の疾患や原因を突き止める「病気を診る」アプローチを取ります。一方、東洋医学は体全体のバランスから体調を捉える「人を診る」アプローチを取るとされ、両者は対立するものではなく、補完し合う関係として活用されることが多くあります。
不妊の原因について
WHOの報告によると、不妊の原因は男性のみに原因があるケースが約24%、女性のみが約41%、男女両方に原因があるケースが約24%とされています。日本では、検査や治療の経験がある夫婦は約5.5組に1組にのぼるとされています。
東洋医学で診る「不妊の原因」/「腎」の働き
東洋医学では、生殖機能は「腎」の働きと関わりが深いと考えられています(伝統的な考え方であり、科学的な効果が証明されているものではありません)。加齢や冷え、ストレスなどによって「腎」の働きが低下した状態を「腎虚(じんきょ)」と呼び、東洋医学的な体質分類のひとつとして扱われます。
卵巣・子宮の血流と妊娠
骨盤底筋を意識して収縮させると、子宮動脈の血流速度が一時的に増加することが、超音波を用いた研究で報告されています。継続的な効果の持続時間についてはさらなる研究が必要とされていますが、日常的に取り入れやすいセルフケアのひとつとして紹介されることがあります。
当院の施術の流れ・通院頻度
初回はカウンセリングで体質や生活リズム、現在の通院状況をお伺いします。そのうえで、鍼灸を中心に、その日の体調に合わせた施術を行います。継続的なケアをご希望の場合は、月2〜4回程度のペースを目安にご案内していますが、通院中の医療機関の治療方針がある場合は、そちらを優先してご相談ください。効果を保証するものではなく、感じ方には個人差があります。
病院と鍼灸院はどちらを優先すべきか
不妊の原因を調べるには、まず婦人科・不妊治療クリニックでの検査を優先することをおすすめします。原因を確認したうえで、鍼灸は体調管理のサポートとして併用いただくのが望ましい位置づけです。
東洋医学・鍼灸から見た体づくり
セルフケアや鍼灸でのケアをご検討いただく場合も、気になる症状があるときはまず婦人科など医療機関にご相談いただくことをおすすめします。
東洋医学の考え方
東洋医学では、体全体のバランスを「証」という考え方で捉え、それに基づいて施術内容を検討していきます(伝統的な考え方であり、科学的な効果が証明されているものではありません。医学的な診断を行うものではありません)。当院では、体質や生活リズムをヒアリングしたうえで、そうした東洋医学的な観点から施術内容を組み立てています。
セルフケアに使えるツボ
ご自宅でも取り入れやすいツボを2つご紹介します。三陰交(内くるぶしから指4本分上)は、東洋医学において体を温めるツボの一つとして紹介されることが多いツボで、指の腹で優しく押す、または温めるのがおすすめです。関元(おへそから指4本分下)もお腹の冷え対策として使われることが多いツボです。強く押しすぎず、心地よい強さで行ってください。妊娠中の方や体調がすぐれない時の刺激は避け、心配な場合は担当鍼灸師にご相談ください(三陰交・関元はいずれも伝統的な東洋医学の考え方に基づいて用いられるツボであり、特定の症状の改善や治療効果を保証するものではありません)。
鍼灸・インディバという選択肢
当院では、鍼灸に加えてインディバ(高周波温熱機器)を組み合わせたケアもご用意しています。インディバはメーカー公表情報によれば体の深部に働きかけるとされる高周波温熱機器で、冷えが気になる方のめぐり・温めのサポートとして、選択肢のひとつとしてご案内しています。なお、鍼灸・インディバは不妊症そのものの治療を目的とした施術ではなく、体調管理の一環としてのご案内です。体感には個人差があり、医学的な効果を保証するものではありません。
よくある質問
Q. 病院の検査で原因不明と言われましたが、東洋医学ではどう考えますか?
東洋医学では、西洋医学的な検査で特定の疾患が見つからない場合でも、体全体のバランス(証)から体調を捉え直すという考え方があります。ただしこれは医学的診断に代わるものではなく、婦人科での経過観察と並行してご活用いただくものです。
Q. 東洋医学の「腎」とはどういう意味ですか?
東洋医学でいう「腎」は、生殖機能や成長と関わりが深いとされる概念で、西洋医学の腎臓とは異なります。加齢や冷え、ストレスなどでこの働きが低下した状態を「腎虚」と呼ぶことがありますが、これは伝統的な考え方であり、医学的な診断名や科学的に証明された効果を示すものではありません。
Q. 不妊の原因を調べるなら、病院と鍼灸院どちらを優先すべきですか?
まずは婦人科・不妊治療クリニックでの検査を優先することをおすすめします。原因を確認したうえで、鍼灸は体調管理のサポートとして併用いただくのが望ましい位置づけです。
Q. 骨盤底筋を鍛えると血流に良い影響がありますか?
骨盤底筋を意識して収縮させると、子宮動脈の血流速度が一時的に増加することが研究で報告されていますが、継続的な効果の持続時間や妊娠への影響については明らかになっていません。日常的に取り入れやすいセルフケアのひとつとして紹介されることがあります。
Q. 東洋医学的な妊活セルフケアに使えるとされるツボはありますか?
三陰交(内くるぶしから指4本分上)や関元(おへそから指4本分下)は、冷え対策のセルフケアとしてよく使われるツボです。心地よい強さで優しく押す、または温めるのがおすすめです。妊娠中の方や体調がすぐれない時の刺激は避け、心配な場合は担当鍼灸師にご相談ください(伝統的な考え方に基づくセルフケアであり、効果を保証するものではありません)。
【参考情報源】
- 世界保健機関(WHO)の不妊原因統計
- 厚生労働省の不妊治療に関する各種調査・報告
- 「骨盤底筋群の随意収縮が子宮動脈の血行動態に与える変化」(J-STAGE理学療法学)
- 東洋医学における「腎」概念に関する複数の専門情報源
【本コラムの監修】
国家資格登録番号
はり師 第13878号
きゅう師 第24519号
・当院について
鍼灸治療では、頭の鍼と経絡治療を用いた本格的な鍼灸施術を行います。身体が本来持っている回復力を高め、バランスが崩れた身体が元に戻るためのお手伝いをします。局所の施術だけでなく、触診や視診を重視する伝統的な診察方法で全身の状態を観察し、身体と対話をしながら、日本人の体質に合わせた鍼灸治療を心掛けております。

