顔色がなんとなく悪い、立ちくらみが増えた、肌が乾燥しやすい——こうした不調が重なると、漢方では「血虚(けっきょ)」という体質のサインを疑います。そして血虚に対する基本処方として名前が挙がるのが「四物湯(しもつとう)」です。
このページでは、血虚とはどういう状態を指すのか、四物湯がなぜ血虚の基本処方とされているのか、構成生薬の役割、他の漢方薬との違い、そして服用前に知っておきたい注意点までをまとめます。すでに漢方薬局や医療機関で四物湯を勧められた人も、これから購入を検討している人も、判断材料として読める内容を目指しました。
なお、この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の症状に対する診断や治療を目的とするものではありません。当院は鍼灸院であり、漢方薬の調剤・処方・販売は行っておりません。体調に不安がある場合は、医師・薬剤師・登録販売者に相談してください。
血虚とは何か|「血が足りない」は貧血とどう違う
血虚とは、漢方でいう「血(けつ)」が体の中で不足している、あるいはうまく巡っていない状態を指す考え方です。西洋医学でいう貧血(ヘモグロビン濃度の低下)と重なる部分が多く、顔色の悪さやふらつきといった症状は貧血の症状としても知られています。ただし漢方の「血」は、血液そのものだけでなく、全身に栄養や潤いを届ける働き全体を指す、やや広い概念として扱われます。
気血水という考え方の中の「血」
漢方には体を「気・血・水」という3つの要素のバランスで捉える考え方があります。気は生命活動のエネルギー、血は全身に栄養を運ぶ働き、水は血液以外の体液の巡りを指すとされ、このいずれかが不足したり滞ったりすると不調が起こると考えられています。気血水の基本的な考え方は、当院の漢方の基礎知識まとめでも紹介しています。
血が不足した状態が血虚、水の巡りが滞った状態が水毒(すいどく)、気が不足した状態が気虚(ききょ)と呼ばれ、それぞれに対応する基本処方が知られています。水毒に対する五苓散(ごれいさん)、気虚に対する四君子湯(しくんしとう)と並んで、血虚に対する基本処方とされているのが四物湯です。なお、水分の巡りに関わる動悸の背景にある「水滞(水毒)タイプ」や気の突き上げに関わる「気逆タイプ」については、当院の動悸と桂皮に関する記事でも触れています。
血虚と貧血の違い・共通点
血液検査でヘモグロビン値が低い「貧血」と、漢方でいう「血虚」は完全に同じものではありません。血虚は検査数値だけでなく、顔色・肌の潤い・爪や髪の状態・月経の状態など、体全体に現れるサインを総合して判断される体質の概念です。
そのため、検査上は貧血と診断されなくても血虚のサインが見られることもありますし、逆に貧血があっても血虚のサインが目立たないケースもあります。数値の異常が疑われる場合は、漢方での判断だけに頼らず、医療機関での血液検査を受けることをおすすめします。
血虚になりやすい人の特徴
血虚は月経・妊娠・出産といった血を消耗しやすいライフイベントを経験する女性に多く見られるとされています。加えて、無理なダイエットによる鉄分・たんぱく質不足、睡眠不足、胃腸が弱く栄養をうまく吸収できていない状態なども、血虚を招きやすい要因として挙げられます。忙しい30〜40代の女性で、月経量が減った、肌の乾燥が気になり出した、という変化を感じている人は、血虚のサインを疑ってみる価値があります。
あなたは血虚タイプ?セルフチェックリスト
血虚のサインは一つひとつは些細に見えても、複数重なると体質的な傾向として捉えられます。以下の項目でいくつ当てはまるか、まずは数えてみてください。
・顔色が青白い、または血色が悪くくすんで見える
・立ちくらみやめまいを感じやすい
・髪がパサつく、抜け毛が気になる
・爪が割れやすい、色が薄い
・肌が乾燥しやすく、かゆみやカサつきが出やすい
・目が疲れやすい、かすみやすい
・手足の先が冷えやすい
・月経の量が少ない、周期が乱れやすい
・寝つきが悪い、夢を多く見て眠りが浅い
・集中力が続かない、物忘れが増えた気がする
当てはまる数の目安と注意点
複数の項目に心当たりがある場合、血虚の傾向がある体質の可能性も考えられます(該当数と体質判定は単純に対応するものではありません)。このチェックはあくまで一般的な傾向を把握するための目安であり、医学的な診断に代わるものではありません。めまいやふらつきが強い、月経量の変化が急激といった場合は、貧血や婦人科系の疾患が背景にある可能性も否定できないため、自己判断で漢方薬に頼る前に、一度医療機関を受診することをおすすめします。
四物湯とは|血虚に対する「基本処方」としての位置づけ
四物湯は、血虚に対応する漢方薬の中でも最も基本的な処方の一つとされています。当帰・芍薬・地黄・川芎という4つの生薬だけで構成されたシンプルな処方でありながら、婦人科領域を中心に長く使われてきました。以下で紹介する各処方の働きや効能・効果は、あくまで医薬品としての承認内容や伝統理論の紹介であり、当院がその効果を保証するものではなく、個人の体質等により当てはまらない場合があります。
なぜ「基本処方」と呼ばれるのか
四物湯がシンプルな4種類の生薬のみで構成されている点が、この処方の大きな特徴です。血を補い、巡らせ、潤すという働きを持つ生薬がバランスよく組み合わされており、血虚に対する処方の「土台」として位置づけられています。単独で使われることもありますが、その真価は次に紹介する「派生処方の多さ」にも表れています。
四物湯から派生した処方群
四物湯は、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、温経湯(うんけいとう)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)に加えて、のぼせやほてりを伴う不調に用いられることがある温清飲(うんせいいん)、皮膚のかゆみを伴う乾燥に用いられることがある当帰飲子(とうきいんし)など、婦人科系の不調を中心とした多くの漢方処方のベースになっているとされています。
それぞれの処方は、四物湯に他の生薬を加えたり組み合わせを変えたりすることで、水毒を合併するタイプ、気の巡りの滞り(気滞)を合併するタイプ、のぼせを合併するタイプ、皮膚の乾燥・かゆみを合併するタイプなど、より細かい体質に対応できるように設計されています。
具体的には、温清飲は四物湯に、のぼせやほてりへのアプローチに使われる生薬を組み合わせた処方で、のぼせを伴う更年期の不調に用いられることがあるとされています。当帰飲子は四物湯に、皮膚のかゆみへのアプローチに使われる生薬を組み合わせた処方で、かゆみを伴う乾燥肌に用いられることがあるとされています。
十全大補湯は四物湯に気を補う生薬群を組み合わせた処方で、倦怠感を伴う血虚傾向に用いられることがあるとされ、こちらは後述の「四物湯と他の血虚向け漢方薬の違い・使い分け」でも改めて取り上げます。つまり四物湯を理解しておくと、他の婦人科系漢方薬の成り立ちも理解しやすくなるという側面があります。
芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)という処方もある|出血症状は自己判断厳禁
四物湯から派生した処方の一つに、芎帰膠艾湯があります。これは四物湯に、止血や補血への関与があるとされる生薬を組み合わせた処方で、月経に伴う不正な出血・産後の出血・妊娠中の出血といった症状に古くから用いられてきたとされていますが、これらはいずれも子宮や胎盤などに関わる重篤な状態が背景にある可能性を否定できず、医療機関での診断・管理が前提となる症状であり、自己判断での服用は避けるべきものです。
ここで芎帰膠艾湯という処方名を紹介しているのは、あくまで四物湯からどのような処方が派生しているかという知識としてであり、出血症状に対して自己判断で漢方薬を選んで対応することを勧める趣旨ではありません。不正出血や、妊娠中・産後の出血に気づいた場合は、自己判断で漢方薬に頼らず、速やかに産婦人科などの医療機関を受診してください。
四物湯を構成する4つの生薬とそれぞれの役割
四物湯という名前は「4つの生薬からなる処方」という構成そのものを表しています。それぞれの生薬がどんな役割を担っているとされているのか、順に見ていきます。
当帰(とうき)
当帰はセリ科の植物の根を用いる生薬で、血を補い、血の巡りを促し、体を温める働きがあるとされています。顔色の悪さのような血色不良へのアプローチとの関連で語られることが多く、婦人科系の漢方処方に頻繁に配合される代表的な生薬の一つです。
芍薬(しゃくやく)
芍薬はボタン科の植物の根を用いる生薬で、血を補う働きに加えて、筋肉の緊張やこわばりをやわらげる作用があるとされています。この働きから、月経に伴う痛みへの対応との関連でもよく語られる生薬で、月経に伴う痛みへの対応を目的とした処方にもよく配合されています。
地黄(じおう)
地黄はゴマノハグサ科の植物の根を用いる生薬で、血を補うとともに体に潤いを与える働きがあるとされ、水分代謝への関与も語られることがあります。四物湯の中では、乾燥しやすい体質へのアプローチを担う生薬として位置づけられていますが、一方で消化器がデリケートな人では胃もたれなどの症状が出やすい生薬としても知られています。この点は後述する「服用前に知っておきたい注意点」でも詳しく触れます。
川芎(せんきゅう)
川芎はセリ科の植物の根茎を用いる生薬で、当帰と同じセリ科の植物に由来し、血の巡りを促し、気の巡りを整えるという、当帰と近い働きを持つとされています。当帰と組み合わされることで、血を補うだけでなく巡らせる作用が期待されている点が特徴です。
この4つの生薬が組み合わさることで、血を補う・巡らせる・潤すという3つの働きをバランスよく担う処方として設計されているとされています。
四物湯で期待できるとされる働き
四物湯は血虚に対する基本処方として、血色や肌の潤い、冷えへのアプローチなど、複数の側面から体質に寄り添うケアが期待できるといわれています。ただし、これらはあくまで一般的な体質へのアプローチであり、特定の病気を治療する効果を保証するものではない点には注意が必要です。
血色・冷えへのアプローチ
当帰と川芎の働きにより、血の巡りを促すことで、顔色の悪さや手足の冷えといったサインへのアプローチが期待できるといわれています。
皮膚の乾燥・つやへのアプローチ
地黄による潤いを補う働きから、乾燥しやすい肌質や、髪・爪のパサつきといった悩みに対するケアの一つとして用いられることがあります。
女性特有のライフステージに伴う不調へのアプローチ
四物湯そのものや、そこから派生した処方は、月経に関連する不調や、年齢を重ねる中で感じやすい体調の変化に寄り添う漢方薬として、古くから用いられてきました。ただし、更年期に伴う症状のように背景が複雑な不調については、四物湯単体で対応できるとは限らず、体質に応じて他の処方が選ばれることも多いとされています。気になる症状がある場合は、自己判断で決めつけず、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談しながら選ぶことをおすすめします。
医療用とOTC(一般用医薬品)の四物湯の違い
四物湯には、医師の処方箋によって使われる「医療用医薬品」としての四物湯と、ドラッグストアなどで購入できる「一般用医薬品(OTC医薬品)」としての四物湯があります。同じ「四物湯」という名前でも、承認されている効能・効果の記載内容やメーカーによる用法用量が異なる場合があるため、この違いを理解しておくことが大切です。
医療用医薬品としての四物湯
医療機関で処方される医療用の四物湯は、医師の診断のもとで、健康保険が適用される形で使用されます。効能・効果の記載は、承認を受けた添付文書の内容に基づいており、製品によって表現が異なることがあります。
一般用医薬品(OTC)としての四物湯
ドラッグストアや薬局、オンラインストアなどで購入できるOTCの四物湯は、医療用とは別に承認を受けた製品であり、効能・効果の記載や対象年齢、用法用量が医療用と異なる場合があります。購入時には、パッケージや添付文書に記載された効能・効果、用法用量を必ず確認してください。
効能・効果の記載を確認する重要性
本記事で紹介している四物湯の働きは、あくまで一般的な傾向としての説明です。実際に製品を選ぶ際は、この記事の内容だけで判断せず、必ず個々の製品の添付文書やパッケージに記載された効能・効果、用法・用量、使用上の注意を確認するようにしてください。
四物湯と他の血虚向け漢方薬の違い・使い分け
血虚に対応する漢方薬は四物湯だけではありません。同じ血虚タイプでも、他の不調を合併しているかどうかによって、選ばれる処方が変わってきます。
当帰芍薬散との違い
当帰芍薬散は、四物湯の構成から地黄を除き、水分代謝に関与するとされる沢瀉(たくしゃ)・朮(じゅつ)・茯苓(ぶくりょう)といった生薬を加えた構成になっている処方です。血虚に加えて、むくみや冷えといった水毒の傾向が強いタイプに用いられることが多いとされています。
地黄を含まない構成であるため、地黄由来の胃もたれといった消化器症状は、四物湯や地黄を含む他の処方と比べて比較的起こりにくいとされています。また、当帰芍薬散は甘草を含まない処方であるため、後述する甘草の重複摂取による偽アルドステロン症のリスクについても、甘草を含む処方と比べると相対的に低いと考えられています。ただし、これはリスクがまったくないという意味ではなく、体質や併用薬によっては注意が必要な点は変わりません。
体質面では、もともと冷えやすく、体力があまり強くない人に用いられることが多いとされ、四物湯よりもややマイルドな処方として位置づけられることがあります。
加味逍遥散との違い
加味逍遥散は、血を補う生薬に、気の巡りを整える生薬やイライラ・のぼせといった症状に対応する生薬を組み合わせた処方です。血虚に加えて、気分の浮き沈みや情緒の不安定さといった気滞の傾向が強いタイプに用いられることが多いとされています。
十全大補湯との違い
十全大補湯は、四物湯に気を補う四君子湯をベースにした生薬群を組み合わせた処方です。血虚に加えて、体力の低下や疲れやすさといった気虚の傾向が強いタイプに用いられることが多いとされています。
どの処方が体質に合うかは自己判断が難しい部分でもあるため、複数の処方で迷う場合は、漢方に詳しい薬剤師や医師に相談しながら選ぶことをおすすめします。
服用前に知っておきたい注意点
四物湯は比較的マイルドな処方とされていますが、医薬品である以上、体質や併用薬によっては注意が必要な場合があります。「天然由来だから安全」と単純に考えず、以下のポイントを確認しておくことをおすすめします。
胃部不快感などの消化器症状
地黄を含む処方は、人によっては胃もたれや食欲不振といった消化器症状が出ることがあるとされています。もともと胃腸が弱い人は、少量から試す、食後に服用するなどの工夫が必要になる場合があります。気になる症状が続く場合は、服用を中止し、専門家に相談してください。
甘草を含む製剤との飲み合わせ
四物湯そのものには甘草(かんぞう)は配合されていませんが、四物湯をベースにした処方(十全大補湯、加味逍遥散など)や、他の市販の風邪薬・胃腸薬には甘草が含まれていることがあります。複数の漢方薬や医薬品を同時に服用すると、知らず知らずのうちに甘草の摂取量が積み重なり、まれに偽アルドステロン症(血圧上昇、むくみ、手足の脱力感など)につながることがあると言われています。複数の漢方薬・医薬品を併用する場合は、薬剤師に相談の上で服用してください。
妊娠中・授乳中の服用について
四物湯は婦人科領域で用いられることの多い処方ですが、妊娠中・授乳中の服用については、自己判断せず、必ず医師・薬剤師に相談してください。他に服用している薬がある場合も同様です。
「副作用がないので安心」と断定できるものではなく、体質や併用薬によってリスクの出方は変わってきます。少しでも体調に違和感を覚えたら、早めに専門家へ相談する姿勢が大切です。
四物湯はどこで手に入る?購入・相談の流れ
四物湯を試してみたいと考えたとき、入手方法はいくつかあります。それぞれの特徴を知っておくと、自分に合った選び方がしやすくなります。なお当院は鍼灸院であり、四物湯を含む漢方薬の販売・処方は行っておりません。以下は一般的な入手経路の紹介です。
ドラッグストア・オンラインストアで購入する
OTC医薬品としての四物湯は、ドラッグストアやオンラインストアで購入できます。手軽に入手できる一方、自分の体質判断は自己責任になるため、まずは前述のセルフチェックリストや添付文書の効能・効果をよく確認したうえで選ぶことをおすすめします。体質や併用薬の状況によっては、次に紹介する医療機関や漢方薬局での相談が適している場合もあります。
医療機関で処方してもらう
婦人科や漢方外来などを受診し、医師の診断を受けたうえで医療用の四物湯を処方してもらう方法もあります。保険適用となる場合があり、他の症状との関連も含めて診てもらえる点がメリットです。
漢方薬局・薬剤師に相談する
体質判断に自信がない場合は、漢方薬局で薬剤師に相談しながら選ぶという方法もあります。四物湯が合うのか、それとも当帰芍薬散や加味逍遥散といった他の処方の方が合うのか、体質や生活習慣を踏まえたうえでアドバイスを受けられます。
よくある質問
Q. 四物湯はどのくらいの期間飲み続ければよいですか?
効果の感じ方には個人差があり、一概に「何日で実感できる」と断定できるものではありません。一般的に漢方薬は一定期間続けて服用することで体質への働きかけを行うとされていますが、具体的な服用期間の目安は製品の添付文書を確認するか、処方を受けた医師・薬剤師に相談してください。
Q. 四物湯は毎日飲んでも大丈夫ですか?
用法・用量は製品によって定められており、必ずパッケージや添付文書の記載に従ってください。自己判断で量を増やしたり、長期間漫然と服用を続けたりすることは避け、体調の変化があれば服用を見直すようにしてください。
Q. 血虚と貧血は同じ意味ですか?
重なる部分は多いものの、完全に同じ概念ではありません。血虚は顔色や肌の状態、月経の様子などを総合して判断される体質の考え方で、血液検査上の貧血とは判断基準が異なります。数値の異常が疑われる場合は医療機関での検査をおすすめします。
Q. 四物湯と当帰芍薬散はどちらを選べばよいですか?
血虚に加えてむくみや水分代謝の乱れが気になる場合は当帰芍薬散が選ばれることが多いとされていますが、体質の見極めは自己判断が難しい部分もあります。迷う場合は薬剤師や医師に相談することをおすすめします。
Q. 四物湯を飲むと太りますか?
四物湯そのものに体重を増加させる作用があるという明確な根拠は一般的に示されておらず、体重の増減は食生活や生活習慣など他の要因が大きく影響します。気になる場合は自己判断せず専門家に相談してください。
Q. 市販の四物湯と病院で処方される四物湯は何が違いますか?
同じ「四物湯」という名称でも、医療用医薬品とOTC医薬品とでは承認されている効能・効果の記載や用法用量が異なる場合があります。購入・服用の際は、それぞれの添付文書に記載された内容を必ず確認してください。
まとめ
あらためて、当院は鍼灸院であり、本記事で紹介した四物湯をはじめとする漢方薬の調剤・処方・販売は行っておりません。血虚・気血水は東洋医学の伝統理論として鍼灸の背景知識にも通じるため、体系的な理解の一助として紹介しています。
血虚とは、漢方の気血水の考え方における「血」の不足や巡りの乱れを指す体質の概念であり、顔色の悪さ、立ちくらみ、肌の乾燥、月経量の減少といったサインとして現れるとされています。当帰・芍薬・地黄・川芎の4つの生薬で構成される四物湯は、こうした血虚に対する基本処方として位置づけられており、当帰芍薬散・加味逍遥散・十全大補湯・温清飲・当帰飲子・芎帰膠艾湯など、婦人科系の不調に用いられる多くの漢方処方のベースにもなっています。
四物湯は比較的マイルドな処方とされていますが、医薬品である以上、消化器症状や甘草を含む製剤との飲み合わせ、妊娠中・授乳中の服用については注意が必要です。また、不正出血や妊娠中・産後の出血といった症状は、派生処方の知識として名前が挙がることがあっても、自己判断での対処は避け、必ず医療機関を受診してください。
医療用医薬品とOTC医薬品では承認されている効能・効果の記載が異なる場合もあるため、購入・服用の際は必ず添付文書を確認し、迷う場合は医師・薬剤師・登録販売者に相談することをおすすめします。気血水の基礎理論は当院の漢方薬とは?証・気血水・選び方でもまとめています。
【本コラムの監修】
国家資格登録番号
はり師 第13878号
きゅう師 第24519号
・当院について
鍼灸治療では、頭の鍼と経絡治療を用いた本格的な鍼灸施術を行います。身体が本来持っている回復力を高め、バランスが崩れた身体が元に戻るためのお手伝いをします。局所の施術だけでなく、触診や視診を重視する伝統的な診察方法で全身の状態を観察し、身体と対話をしながら、日本人の体質に合わせた鍼灸治療を心掛けております。

